B Corp申請に向き合った一年で得たこと
CLASS EARTHは2024年11月、B Corpのメンバーとなりました。
B Corp認証は、米国のNPO法人「B Lab™︎」が運営する国際認証制度。
社会性と利益を両立する事業を展開する企業が、社会的・環境的パフォーマンスや透明性、説明責任などについて、B Labが設定した200を越える厳しい基準(Bインパクトアセスメント)を80点以上クリアすることで取得することができます。
企業内の仕組みや取り組み、商品単体ではなく、企業全体を評価するところに特徴がある認証制度で、2024年9月末時点で全世界104カ国162以上の産業で9,100以上の企業がB Corp認証取得しています。
満点は200点で、合格ラインは80。一般企業の中央値は50.9
設問に一つ一つ向き合い、結果CLASS EARTHは126.1点が認められました。
騙されないようにすることは、騙さないようにするということ
社会課題解決に貢献できる仕事だけを行うと決めて活動してきて、ここ数年は認証の重要性を強く感じていました。
それは、日本ではSDGsブームと共に、サステナビリティの基準があいまいになっていると感じるからです。法律が追いついていないとも言えるかもしれません。
根拠の少ないエコ表示、割合の表示がないオーガニック素材使用、元の資源国が分からない再生素材など、商社やメーカーから提示される資料には、悪気なくトラップが散りばめられていることが多く、消費者に想い描くものを提供するには先回りした知識が必要です。
サステナビリティだけでは消費者は動かない
残念ながら、人の消費はもっと単純です。可愛い、美味しい、安いといった、より直感に近い条件で決まることが多いはずです。
サステナビリティの強度で消費を決めるようなエシカル消費層はごく僅か。そんな少数派まで騙して、どんなインパクトが得られるというのでしょうか。
多くの企業のWEBサイトで、SDGsの発信がされていますが、その情報の信頼性はどうでしょうか?
違和感のあるポイントを追求し、資料を読み込む多大な時間と手間をかける必要があります。
一方、国際認証制度には、基準が明確で、認証マークが付いたものは信頼できることを知りました。
つまり認証マークを確認すれば情報の信頼性は確保され、騙されないように気を張らずに済み、心理的安全性も得られます。
私たちの会社も、情報の信頼性を曖昧にしないためにB Corpを取得したいと考えたのです。
サステナブルな会社、公益性の高い企業とは。
持続可能性の基礎は、人権尊重であるという考え方が国際認証の基本になっていると感じます。
B Corpの設問にも人権に関わるものが多くありました。確かに、身近な社員の人権にすら配慮できない会社が、公共の環境を良くできるわけがありません。
高い倫理感を持ち、利他の精神で、地球の裏側に住むほかの種の生き物の命でさえも慈しむことができるか。
そんな意識を再確認しながら、設問について今の状況を確認し、目標を立て、短期で実行できるものは対応するという作業を約1年続けました。
項目の半分くらいは、頑張らずともクリアする要素でした。
例えば、社会保険に入っているので、その設問は大半の日本企業なら自動的にクリアできます。
また、弊社は女性中心の組織なので(自分たちではマイノリティと思ってないのですが)マイノリティとして点数がつきます。
さらに寄付やボランティアを定常的に行うビジネスモデルなので、その点でも新たな取り組みを行う必要なく加点される項目がありました。
採点の項目はアメリカのビジネス文化を基本に作られた設問のため、新たな視点をもらうきっかけにもなる項目も多数ありました。
- 社員が新たなキャリアに向かうことを具体的に応援しているか。
大前提として、職業選択の自由がありますから、キャリアアップを目指す社員を引き留めることはしませんが、別のキャリアも具体的に応援するという発想ははありませんでした。
今後は、定期的な評価を活用して、転職時にその人の活躍が可視化できるように業務を整理したり、履歴書の書き方も希望があればメンターがアドバイスする等、行なっていくことを決めました。
- 従業員の家族をどう支えているか。
休暇の取得はもちろんですが、社員全員に生命保険を会社がかけ、万が一働くことが難しくなった場合は、ご家族が保険金を受け取れるようにしました。
- 家での環境負荷軽減も可視化する。
CLASS EARTHは、GHG排出量計算においてscope3まで実施しています。
全員がリモートワークなので、家庭での電気使用量も報告してもらっていますが、各従業員の自宅のCO2削減計画まで取り組んでいませんでした。
そこで再生エネルギーを家庭で導入した社員には通常の電気代との差額を会社が負担するといった福利厚生を追加しました。
これらは、直接的にスコアに反映されないものも含まれます。
異文化の設問から示唆をもらい、それをチーム全体で議論して、得点はさておき面白いと思った思想を取り入れ、私たちなりの対応をしていきました。
高い倫理観を持って推進するサステナビリティは本来崇高な行為であるはず
B corpのアセスメントは、企業の倫理性、サステナビリティを見直せる素晴らしい機会でした。
森里川海といった地球の資源も、数十億年の進化の歴史を持つ動植物も、いつまでも美しい姿で存続させるため、『生物多様性保全を憧れの対象に』というVISIONのもと、私たちはサステナビリティに楽しさ、美しさ、華やかさ等ポジティブな要素を織り込むことを大切にしています。
サステナビリティを楽しみながら子ども達が健やかに成長し、自ら地球を守り将来の夢を描こうと思えるよう、最大限の教育支援をするのが私たちのMISSIONです。
今回の評価を受け、さらに公益性を高められるよう、非営利団体やパートナー企業の支援を通してより大きなインパクトの創出にも向けて邁進いたします。
プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000121038.html