絶滅危惧茶
Endangered Tea

日本が誇る文化の一つである日本茶。
今、日本茶の中で、生産者があと数名というお茶や、生産環境の変化により絶滅の危機に瀕するお茶が存在します。
絶滅危惧種は、その種がなぜ今危機に晒されているのかを知ることで、私たちの行動を変容するきっかけを教えてくれます。絶滅危惧茶を通して、日本の農業における社会課題を学び、解決に向けて共に考えてまいります。
この「絶滅危惧茶〜Endangered Tea〜」のパッケージに採用したのは、盆栽のアート『Kengo Bonsai Gallery』。
人間がケアすることで千年でも美しく生きることができる盆栽は、その価値の高さが世界中に認められています。
そんな人間と自然の共生の証であるサステナブルアートに、絶滅危惧茶の存続・繁栄の願いを込めました。
TEA LIST

バタバタ茶 (ばたばたちゃ)
生産地:富山県
はじめに焦げ木の芳ばしさや、カカオを思わせる苦味と甘みのある香りにともなって、田舎家にいるような懐かしい香りが立ち上る。口に含むと、微かな酸味と水羊羹のような透明感のある甘み。木の実やべっこう飴のようなニュアンスを伴う、心地よい渋味が余韻を締めくくる。心安らぐやさしい味わい。
<歴史、詳細>
室町時代から朝日町蛭谷(びるだん)で飲まれていたとされる。葉の酵素の力ではなく、麹カビによって乳酸発酵させた黒茶の一種。若いすす竹を2本合わせた夫婦茶筅で、茶碗の茶を音を立てながら泡立てるところからバタバタ茶と呼ばれるようになった。
煮出した茶は、黒い見た目に反してほんのり甘く飲みやすく、泡立てるほどに苦味が抑制され甘みを感じやすい。抗酸化性を示すポリフェノールも確認されている。

釜炒り番茶 (かまいりばんちゃ)
生産地:和歌山県
はじめに、すもものような酸味のある香りにともなって、スモーキーな香りがほのかに感じられる。口に含むと、青梅にも似た渋味と落ち着いた甘みが感じられ、鼻に抜ける香りは清々しい。芳醇な香りと飲み飽きない味わいは、伝統的な茶粥でも、食事とのペアリングでも愉しめる。
<歴史、詳細>
奥熊野にある本宮の山間部に古くから伝わる釜炒り番茶は、一番茶、二番茶のみ、手摘みされた生葉を釜で炒ってから丁寧に揉んで、天日に干し、茶畑の中にある小さな作業場で釜炒りで仕上げるという、歴史の古い伝統的な製法でつくられるお茶です。
最初の釜炒りの火力が弱くて茶葉の酸化が止まらりきらず、揉んで干す間にわずかに酸化して花のような香りを発揚します。新芽を加熱して酵素を不活性化させ、揉んで仕上げる手法は、現在主流の煎茶の原型とされ、かつてはこのタイプお茶が主流だったと考えられています。

石鎚黒茶 (いしづちくろちゃ)
生産地:愛媛県
最初はカシスのようなシャープな酸味に、リンゴ酢のような甘みのある酸味が続く。口に含むと、シナモンのようなスパイシーな香りや、トマトやグレープフルーツを思わせる甘酸っぱい香りが鼻に抜ける。ヨーグルトのようなまろやかな酸味と旨味がやさしく締めくくる。穏やかな酸味が好みなら、水出しがおすすめ。
<歴史、詳細>
西日本の名峰石鎚山の麓で空海が伝えたとされる製法を伝承し、今も全ての工程を手作業で行っている。国内に4つしかない貴重な後発酵茶の中でもさらに珍しい二段発酵茶は、特有の深い香りと爽やかな酸味を持つ。絶滅危惧からの復活で「幻の茶」と称され、今では無形民俗文化財に指定されている。
絶滅危惧種 ~Endangered Tea~ 商品の製造者固有記号について
販売者 : SABOE株式会社
+ YM 株式会社山亜里製茶 静岡県御前崎市