アースオーバーシュートデー(Earth Overshoot Day)日本の資源消費を考える
『アース・オーバーシュート・デー』とは
『アース・オーバーシュート・デー』とは、人間の消費量が地球が持つ一年分の資源の再生産量を超えた日をカレンダーに置き換えた日付です。
国際環境シンクタンクである「Global Footprint Network(GFN)グローバル・フットプリント・ネットワーク」から毎年発表されています。
EARTH OVER SHOOT DAY
https://overshoot.footprintnetwork.org/
アース・オーバーシュート・デーは「バイオキャパシティ(年間で地球の生態系から供給される生物資源)÷エコロジカル・フットプリント*1×365日」で計算されます。
*1
エコロジカル・フットプリントは、「生態系を踏みつけている足跡」の意味で、世界や国などの経済活動を保つために必要な土地面積で表現されます。土地面積は耕作地・牧草地・森林地・漁場・生産阻害地・カーボン・フットプリントの6区分からなり、グローバル・ヘクタール(global ha)という独自の世界共通の面積単位を用いて、人口×温室効果ガスの排出や森林・耕作地などの資源利用・過度な漁獲など人間一人あたりの消費×生産・廃棄効率で計算されます。
つまり、アース・オーバーシュート・デー以降は地球資源の負債を抱えている状態。
現在地球の資源は枯渇し、人口は増えていて、需要と供給のバランスが取れていません。
毎年「地球資源の使い過ぎ」を周知するために発表されています。
アースオーバーシュートデーは、世界全体と各国の日付が公開されます。
今年(2023年)の世界のアースオーバーシュートデーは8月2日でした。
一方で日本は、5月6日。世界平均よりも早く資源を使い果たした国ということです。
2023年アース・オーバーシュート・デー プレスリリース(日本語)
https://www.overshootday.org/newsroom/press-release-june-2023-japanese/
過去のアースオーバーシュートデー
<世界>
2023年 8月2日
2022年 7月28日
2021年 7月29日
2020年 8月22日
2019年 7月29日
2018年 8月1日
<日本>
2023年 5月6日
2022年 5月6日
2021年 5月6日
2020年 5月12日
2019年 5月13日
2018年 5月10日
上記の過去の履歴を見ても改善がほとんど見られません。
特に日本は年々短くなってきており、状況は悪くなる一方です。
ゴールデンウイーク明けには資源が枯渇しているということは、日本は本来その年に使える資源の3倍近くを使っているということになります。
しかし、国内を見渡してみると、スーパーやコンビニには物が潤沢にあり、水、電気、ガスも問題なく使え、普通に生活していると全く実感がないと思います。
日本は世界の資源に依存している
今の生活をするには地球1.7個分の資源が必要と言われており、地球の資源を前借りして生活しているという状況であることは明白です。
更に各国の生活を世界全体が行った場合のデータも発表されています。
日本について見てみましょう。
Global Footprint Network によると、全世界が日本と同じ生活をすると、地球は2.9個分必要なのに対し、日本の資源だけで今の日本の消費を賄うには日本が7.8個必要というデータ*2があります。
これは世界で一番高い数値で、それだけ他国の自然資源の供給に依存していることになります。
日本は世界で最も資源を消費する側だということを、しっかり意識していかなければなりません。
*2 データ参照元
How many Earths? How many countries?
https://www.overshootday.org/how-many-earths-or-countries-do-we-need/
地球は赤字を続けている
このオーバーシュートは、1970年代に起こり、今までプラスに転じた年はなく、私たちは約50年間、赤字状態を続けています。
企業や経済と同じく、地球も赤字を続けていると破綻します。
森林のグリーンカーボン、海のブルーカーボンを増やすなど自然の資源を増やすあらゆる努力を行う一方で、個人はライフスタイルを変化させ、企業はエネルギー使用量の少ない製品やサービスを成長させていくことが不可欠です。
アパレル業界は、石油産業に続く環境に悪い産業です。
「サステイナブルファッション」を何年もやっていくと、その産業にさえ大きな矛盾を感じました。
オーガニックコットンが1%でも入っていれば、オーガニックコットン使用と言えますし、リサイクルポリエステル100%と言っても、リサイクルできるのはほぼ1回のみという現状はご存知でしょうか。
エシカルファッションは、必ずしもエシカル(倫理的)ではないことを消費者が学び、是正するのは困難なことです。
企業側が消費者を騙すことが出来ないようなルール作り、認証制度の活用が求められていると思います。
残念ながら、日本では認証制度を重んじる工場が少なく、輸送にかかる環境コストの低い『日本製』を選ぶこと=世界のサステナブル基準を諦めなくてはならないという構造でした。
しかし、最近では日本の工場の中でも、環境意識を高めるために社員教育を行ったり、経営者が自ら学びに出て認証を取得する動きも出てきています。
CLASS EARTHでも、日本製のサステイナブルな物作りが世界で認められるよう、生産者の皆様と一緒に取り組んでいきたいと考えています。